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半導体で注目 「九州シリコンアイランド」 の動きに目が離せない!

近年、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県への進出などをきっかけに、最近、新聞やニュースなどでよく見聞きする機会が増えた九州の「シリコンアイランド」。
なぜ、九州が、シリコンアイランドと呼ばれるのか?
なぜ、九州に、半導体産業が集まっているのか?
少し、読み解いてみましょう! 


九州のシリコンアイランドとは?

九州のシリコンアイランドとは、日本国内における半導体産業の中心地を表しています。
九州地方では、1960年以降、半導体企業による工場立地が進み、大手半導体メーカーが進出する他、多くの地元企業が半導体関連事業に参入しました。
1980年代には九州地方に半導体クラスター(集まり)を形成するに至り、米国の「シリコンバレー」にならって「シリコンアイランド」と名付けられました。
その後、米国との貿易摩擦などを機に、日本の半導体の勢いは衰え、韓国などアジア勢にシェアを奪われていき、九州の半導体の生産額は、2000年にピークを記録した以降は減少傾向となりました。
しかし近年は、スマホ向けなどの需要増を追い風に、再び設備投資が活発化しており、2021年に半導体受託生産の世界最大手であるTSMCの熊本県への進出決定や、2023年に京セラの長崎県への新工場設立の決定など、日本政府の支援等の動きにより、半導体産業だけではなく、物流・サービス・不動産業を含めた周辺産業への波及効果が更に期待される状況となっています。

なぜ九州に半導体産業が集中?

1. 豊富な水資源

半導体製造では、純度の高い超純水が大量に必要です。九州は、山間部からの豊富な水資源に恵まれており、九州北・中部を流れる一級河川の源流は熊本県の阿蘇にあり、「九州のみずがめ」と呼ばれています。

2. 地理的条件とインフラの充実

九州は、空港や主要な港湾、九州縦貫自動車道による国内外へのアクセスが良好であり、資材の輸送や製品の出荷がスムーズに行えます。
また、半導体製造には大量の電力も必要になりますが、九州地方は電力供給が安定しており、太陽光や地熱など再生可能エネルギーにも恵まれているため、大規模な工場運営が可能です。

3. サプライチェーンの集積

半導体製造には多くの関連部品や材料が必要です。九州には、それらを供給する関連企業が多数存在し、効率的なサプライチェーンが構築されています。

4. 人材と教育機関の存在

九州には、多くの大学や研究機関があり、技術者や研究者が育成されています。最近では2022年に、産業界・教育機関・行政機関で構成する「九州半導体人材育成等コンソーシアム」が設立され、人材の育成・確保やサプライチェーン強化の取り組みが推進されています。

5. 政府・自治体の支援

日本政府や九州地方の自治体は、半導体産業を支える様々な政策を実施しています。補助金や税制優遇措置など、企業が進出しやすい環境が整っています。

まとめ

日本の半導体産業の最前線、九州のシリコンアイランド。この地域は、TSMCや京セラといった世界的な大手企業の進出により、技術革新と経済成長の新たな中心地として急速にその名を馳せています。
大手企業の進出、技術革新、産業政策の改革が相まって、九州のシリコンアイランドの発展は、日本の経済と技術の未来にとって非常に重要な柱として、今後も国内外からの注目を集めることでしょう!
これからも九州の動向に目が離せません!!

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